今回紹介するのは、先日4月7日に発表された「2020年本屋大賞」で、大賞に選ばれた凪良ゆうさん著作『流浪の月』です。
『流浪の月』とは
2019年8月30日に東京創元社より出版。
著者:凪良(なぎら)ゆう さん
⇒BL小説の作家として10年以上のキャリアを持つ女性だそうです。
内容紹介(東京創元社より)
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
恐らく、この文面だけでは、具体的なストーリーが何も分からないと思います。
本当に魅力的な作品なので、何の前知識を入れずに読んで欲しい!
という思いがありますが、さすがにそれじゃあ購入できないと言う方に簡単に説明すると、
叔母の家で暮らす事を苦痛に感じている9歳の少女・更紗(さらさ)が、近所でロリコンと噂されている謎の大学生・文(ふみ)の家に転がり込むことから物語は始まります。
更紗は叔母の家で生活するよりも、文の家で過ごす事を良しとし、好んで居着きますが、世間的に見れば誘拐犯と被害者の少女に他なりません。
二人の思いや関係性とは裏腹に、世間からは容赦ない厳しい目や同情が向けられ…
『流浪の月』は、この更紗と文という二人の人間関係を描いた作品です。
試し読みをしたいと言う方は、冒頭100ページが公開されていますので、こちらからどうぞ↓
冒頭で「ふみいいい、ふみいいいいい」と、書き表された女の子の泣声。
なんだこのアニメで出て来そうな泣き方は…。
作者がBL作家という事も相まって、この瞬間「失敗した」と思いました。
が、それも杞憂で、「文(ふみ)」という登場人物を呼ぶ声でした。笑
女性作家にしか描けないであろう、圧倒的な心理描写と、視覚的に訴えかけてくる鮮やかな色彩。
読んで後悔のない一作です!