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スコア20点『フィール・ザ・ビート』ネタバレ感想・レビュー「ダンス指導で虐待!主人公の人間性がクズで一切成長しない作品」【Netflix】

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引用:https://www.netflix.com/

6月19日から公開されたNetflixオリジナル映画『フィール・ザ・ビート』のネタバレ感想です。

 

本作の特徴はこちら

  1. 主人公がダンス指導で子供を虐待するサイコパス
  2. 肝心のダンスは地味で面白くない
  3. 作中を通して主人公が一切成長しない
  4. 名前を呼ばれるだけで喜ぶ不憫な生徒達がダンスを頑張る

 

 

出演者・キャスト情報

出演者情報を事前にまとめた記事はこちら↓

本編公開後にキャスト情報を追記しようと思っていましたが、作品のあまりの酷さに断念…。

管理人的スコア:20点「ダンス指導で虐待!主人公の人間性がクズで一切成長しない作品」

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引用:https://www.netflix.com/

ストーリー・設定 :★☆☆☆☆

ストーリー自体はよくある、歌やダンスの実力者が指導者となって子供に技を教える展開です。

ありふれた展開であっても、楽しい気持ちで観られるのがこの手の作品の魅力で、管理人もついつい観てしまうジャンルです。

が、この作品に関しては本当に吐き気を催すレベルで最悪でした。

その一番の要因が主人公の人間性

そして全く笑えないユーモアセンスと、虐待としか思えない子供への指導です。

この作品の素晴らしい所は、主人公が最初から最後まで全く成長しないところです。

何故、このストーリーでOKが出せたのか不思議でしかありません。

キャラクター・演技:☆☆☆☆☆

まず、何よりも主人公のエイプリルの人間性が最悪です。

冒頭から、人が停めたタクシーを横から奪って乗り込みますが、そんなのは序の口。

その人間性がきっかけで、ショーに出られなくなったにも関わらず、作中を通して反省することなく、主人公の人間性はどんどん悪化していきます。

ダンスの素人である子供たちへの過剰な指導と体罰、耳が不自由で手話で会話する生徒に"指"とあだ名をつけ、眼鏡の少女は"目玉"呼ばわり。

緊張で吐いた子供には「ゲロをかけるなよ」発言。

その生徒達に何か嫌なことをされたから、といった理由もなく、ダンスが下手だったことだけを理由に、怒鳴りつけて体罰を与え、酷いニックネームで呼びます。

生徒が意見を返そうものなら、「あなたたちが態度を改めるなら指導してあげても良い」と上から目線の一点張り。

何があっても、絶対に謝る事はありません。

大人のルールに、無理矢理子供を従わせて笑っているサイコパスです。

生徒の親たちも、大会前に子供にカフェインを摂取させてテンションを上げ、帰りのバスではアレルギーの薬を与えて眠らせようとしたり、会場で親同士が乱闘したり、子供の髪の毛を燃やしておいて秘密にするなど、到底まともな人間だとは思えません。

初めのうちは、大会参加に反対してぶちギレていたけど、大会で勝つにつれてダンスを認めていく黒人の母親もぶっ飛んでました。

 

不憫なのは、ダンスを教えてもらう子供たち。

レッスンが急にきつくなって辞めた生徒にはフォロー無し(裏方として自ら戻ってきましたが…)。

残った生徒たちは、屈辱的なあだ名で呼ばれていましたが、エイプリルに本名を呼ばれるだけで大喜びする始末。

完全におかしくなってしまっています。

何故この生徒たちが虐待を耐え忍びながら主人公についていくのか全く分かりませんでした。

後半で手話を交えて「私たちは家族」と表現するダンスがありますが、いつ家族になったのか、なろうと思えたのか理解不能です。

指導者中心のダンスを批判されていたのに、結局指導者中心のダンスを続けていたのも謎。

演出       :★☆☆☆☆

『フィール・ザ・ビート』とは名ばかりで、全くビートなんて感じられません。

まず、本作の肝であろうダンスシーンが恐ろしく地味。

ダンスの種類も、ヒップホップみたいなのから、土屋太鳳よろしくコンテンポラリーダンスも登場して大会の趣旨やジャンルがよく分かりません

ダンスは芸術的なのかもしれませんが、正直観ている側には上手い下手はよく分かりません。

審査員は、どういう基準で判断しているんだろう。

大会の途中から飛び入りで参加した男の子が、正式メンバーとして以後も参加出来たのも謎。

そして何より一番の謎は、大会最終日。

主人公は、大会中に3人の審査員のうちの一人にスカウトされます。

まず、その審査員がスケジュールの都合で、大会最終日は審査に参加できないという謎。

そんなにスケジュールがかつかつの割に、ショーの主役が決まっておらず、大会で出会ったエイプリルをこのタイミングで抜擢するという謎。

そして、この期に及んで、生徒を見捨てるエイプリルのクズさに腹が立つ。

紆余曲折あって、エイプリルは大会に戻ってくるが、別にエイプリルは生徒と一緒に踊らないから、エイプリル抜きでも問題なかったのに大騒ぎした謎。

そしていろんな問題を乗り越えて最後のステージのはずなのに、そんなに凄いと思えないダンスと、生徒の表情が全然分からない遠めのカット。

結局、冒頭で揉めたおばあさんとは和解するどころかエンディングでさらに嫌がらせをする始末。

エンディングで踊っている間、主人公たちの後ろにライトの点いたタクシーが停まっている事が気になっていました。

エンディングの演出かと思えば、普通に走っている車を停めて迷惑をかけていただけという…。

最後まで自己中なキャラが主人公でした。

 

ゴー・チャ―ナーズってどういう意味?

映像美      :★★☆☆☆

この作品の中で最も大切であろう、ダンスのシーンが微妙過ぎる。

主人公たちのダンスは勿論、ライバルグループのダンスはカットされる始末。

子役の胸パッドが飛んだシーンの後、エイプリルもぺちゃんこなのは、全員が思っただろう。

その件で泣く子役から、涙が一切流れていないのも気になる。

この手の作品にありがちな、初めての舞台で失敗する演出も長すぎてテンポが悪いし、観ているこっちのばつが悪くなります。

色んな作品でありきたりな展開なので、もっとコンパクトに収めて欲しかった。

ショー自体も、歌無しで踊るだけではどうしてもインパクトに欠けた感が否めない。

男の子のスターリフトのシーンでは、練習の段階で「マジで?」と思ったけど、最後にびっくりさせられました。