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スコア70点『ザ・ファイブ・ブラッズ』ネタバレ感想・レビュー|「娯楽映画ではない。黒人や戦争がテーマの難しい作品」【Netflix】

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引用:https://www.netflix.com/

今回紹介するのは、6月12日から配信が始まったNetflixオリジナルコンテンツの映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』です。

 

本作の特徴はこちら

  1. 娯楽映画ではない。学校の授業で観るような作品
  2. 黒人の人権、戦争のトラウマ、今なお続く対立感情がテーマ
  3. 過去の実際の映像が効果的に差し込まれる演出
  4. 前半と後半で一気に雰囲気が変わる

 

 

 『ザ・ファイブ・ブラッズ』とは?

基本情報・評価

・2020年6月12日に公開されたNetflixオリジナル映画

IMDb:★7.0/10

監督:スパイク・リー - Wikipedia

出演者・キャスト情報

年齢は2020年6月時点のもの。

ポール役:デルロイ・リンドー-Delroy Lindo-

出身:イギリス・ロンドン

生年月日:1952年11月18日(67歳)

デルロイ・リンドー - Wikipedia

オーティス役:クラーク・ピータース-Clarke Peters-

出身:アメリカ・ニューヨーク

生年月日:1952年4月7日(68歳)

Clarke Peters - Wikipedia(英語版)

エディ役:ノーム・ルイス-Norm Lewis-

出身:アメリカ・フロリダ州タラハシー

生年月日:1963年6月2日(57歳)

ノーム・ルイス - Wikipedia

メルヴィン役:イザイア・ウィットロック・Jr-Isiah Whitlock, Jr.-

出身:アメリカ・インディアナ州

生年月日:1954年9月13日(65歳)

イザイア・ウィットロック・Jr - Wikipedia

ノーマン役:チャドウィック・ボーズマン-Chadwick Boseman-

出身:アメリカ・サウスカロライナ州アンダーソン

生年月日:1976年11月29日(43歳)

ブラック・パンサーですね。

チャドウィック・ボーズマン - Wikipedia

デヴィッド役:ジョナサン・メジャース-Jonathan Majors-

出身:アメリカ・テキサス州ダラス

生年月日:1989年9月7日(30歳)

Jonathan Majors - Wikipedia(英語版)

デローシュ役:ジャン・レノ-Jean Reno-

出身:モロッコ

生年月日:1948年7月30日(71歳)

ジャン・レノ - Wikipedia

ヴィン役:ジョニー・グエン-Johnny Nguyen-

出身:ベトナム

生年月日:1974年(45~46歳)

ヘディ役:メラニー・ティエリー-Mélanie Thierry-

出身:フランス

生年月日:1981年7月17日(38歳)

メラニー・ティエリー - Wikipedia

サイモン役:ポール・ウォルター・ハウザー-Paul Walter Hauser-

出身:アメリカ・ミシガン州

生年月日:1986年10月15日(33歳)

ポール・ウォルター・ハウザー - Wikipedia

セッポ役:ヤスペル・ペーコネン-Jasper Pääkkönen-

出身:フィンランド・ヘルシンキ

生年月日:1980年7月15日(39歳)

Jasper Pääkkönen - Wikipedia

 

管理人的スコア|70点「娯楽映画ではない。黒人や戦争がテーマの難しい作品」

ストーリー・設定 |★★☆☆☆

前情報無しに観たので、初めは元兵士の黒人が宝探しに行く位の内容だと思い、軽い気持ちで視聴。

冒頭のショッキングな映像や、戦争に関するトラウマなど、所々片鱗はありましたが、基本的には黒人文化らしい騒がしい雰囲気で物語が進行していきました。

特に、野糞をしようとしたら金塊見つけた!という流れなんてコメディかと思いましたが、地雷を踏んだあたりから物語のトーンが一変。

戦争は過去のものではなく、個人レベル、気持ちレベルではまだ終わっていないのだと勉強させられました。

 

残念だったのは、主人公サイドも結局暴力で解決するというアメリカ的な解決策しか取れなかった事。

戦争のトラウマは身内が亡くなった事や恐怖抱えながら生きた事であり、今になっても決して他国の人を思いやるような気持ちを持つ事ができないという描かれ方でした。

ベトナム人を「ベトコン」と蔑み、襲ってきたベトナム人を皆殺しにしてしまう。

地雷から救ってくれたフランス人には銃を向ける。

そういう描かれ方しかしなかったのは、黒人の人権は訴えるけど、ベトナム人や敵国の人権はいいの?と疑問。

ストーリー上、襲ってきたらそりゃ倒すだろうけど、そもそもこういうストーリーにしなくてはいけなかったのかは疑問でした。

キャラクター・演技|★★★★★

ポール役のデルロイ・リンドーの演技がとにかく凄かった。

キャラクターの心情の背景にある戦争経験、黒人としての扱われ方については、正直私の立場では理解する事はできません。

ただそれを差し引いても、鬼気迫る迫真の演技でした。

演出       |★★★★★

現在世界中でデモが起こっている「BLACK LIVES MATTER」のワードが登場。

これ、映画公開直前に差し込んだのだろうか?

黒人の人権、戦争でのトラウマ、仲間(ブラッド)同士の絆、今なお続くベトナムでの反米感情など、非常に多くのテーマを描いた作品でした。

娯楽映画として観るのではなく、学校の授業で観て色々考えるような内容ですね。

無教養なものでどこまでが本物か分かりませんが、過去の実際の映像が効果的に差し込まれていて、映画の中だけの話だけでなく、実際に現実に起きた事なのだと強く認識させられました。

日本人が観ても本当の意味で理解はできない事が多いでしょうが、アメリカ国内での評価は相当高そうな印象を受けます。

映像美      |★★☆☆☆

黒人俳優がメインという事もあり、夜のシーンになると何が起きているのか全然分からない…。

ジャングルのシーンも代わり映えしないので、進んでいるのか進んでいないのか、いまいち分かりづらかったです。

 

以上。

デリケートな問題が多く、少しコメントしづらい難しい作品でした。