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『ゲット・アウト』ネタバレ感想・レビュー|他人の家庭の中に見る違和感と狂気の境目

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引用:https://www.nbcuni.co.jp/movie/sp/getout/#commonHd

今回紹介する作品は、2017年に公開された映画『ゲット・アウト』です。

 

 

『ゲット・アウト』とは

概要

2017年に公開されたアメリカのホラー映画。

ホラー映画と言っても幽霊やオカルトの類ではなく、人間の狂気を描いたサイコホラーです。

監督:ジョーダン・ピール

アメリカの俳優・コメディアンで、本作品で監督デビュー

脚本も担当しており、本作品でアカデミー脚本賞を受賞しました。

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あらすじ

主人公・クリスは、黒人のカメラマン。ある日、恋人である白人のローズの実家に挨拶へ行く事になった。自身が黒人である事を気にかけるのとは裏腹に、クリスはローズの実家で温かい歓迎を受けるが、どこか違和感が…。

出演者・キャスト情報

クリス・ワシントン役:ダニエル・カルーヤ

出身:イギリス・ロンドン

生年月日:1989年2月24日(2020年現在31歳)

主な出演作:ブラックパンサー(ウカビ役)、ブラック・ミラー(S1第2話主役)など

ダニエル・カルーヤ - Wikipedia

ローズ・アーミテージ役:アリソン・ウィリアムズ

出身:アメリカ・コネチカット州

生年月日:1988年11月30日(2020年現在31歳)

主な出演作:GIRLS/ガールズ(マーニー・マイケルズ役)

アリソン・ウィリアムズ - Wikipedia

 

ミッシー・アーミテージ役:キャサリン・キーナー

出身:アメリカ・フロリダ州マイアミ

生年月日:1959年3月23日(2020年現在61歳)

キャサリン・キーナー - Wikipedia

ディーン・アーミテージ役:ブラッドリー・ウィットフォード

出身:アメリカ

生年月日:1959年10月10日(2020年現在60歳)

主な出演作:ザ・ホワイトハウス(ジョシュ・ライマン役)

ブラッドリー・ウィットフォード - Wikipedia

ジェレミー・アーミテージ役:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ

出身:アメリカ・テキサス州ガーランド

生年月日:1989年12月7日(2020年現在30歳)

主な出演作:X-MENファースト・ジェネレーション(ショーン・キャシディ/バンシー役)

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ - Wikipedia

ロッド・ウィリアムス役:リル・レル・ハウリー

出身:アメリカ・イリノイ州シカゴ

生年月日:1979年12月17日(2020年現在40歳)

映画の中の唯一の癒し。

ジョージーナ役:ベティ・ガブリエル

出身:アメリカ・ワシントンDC

ただ笑っているだけなのに、不気味さ、違和感がすごい。

Betty Gabriel - Wikipedia(英語版)

ウォルター役:マーカス・へンダーソン

 

出身:アメリカ・ミズーリ州セントルイス

生年月日:1987年9月13日(2020年現在32歳)

全力疾走&直角カーブする人。

Marcus Henderson (actor) - Wikipedia(英語版)

 

 管理人感想:他人の家庭の中に見る違和感と狂気の境目

いやぁー、めちゃくちゃ面白かったです(浅い)

友人から「とにかく面白い」と勧められて前情報を全く入れずに観たので、映画のジャンルすら分からずにスタートした状態でした。

序盤の鹿に驚かされ、ジョージーナが歩いているだけでビビらされ、全力ダッシュおじいちゃんに思わず声がでました。笑

序盤でアーミテージ家に到着したクリスですが、どこかおかしいジョージーナの振る舞いや催眠術を進めてくるお義母さんや、入ってはいけない地下室、黒人の事を持ち上げる親族に違和感を覚える様子が描かれました。

これってどれも、確かに違和感なんですが、「この人の家ではこうなんだ」、「これがこの家族のルールなんだ」と、許容できてしまうギリギリのラインの描き方が上手かったと思います。

誰もが友人の家に遊びに行った際に、その家の独自のルールに出くわした経験があると思います。

私が経験したルールだと、「夕食の際は、お茶はコップ1杯まで」とか「鞄は底が汚いから、決められた場所にしか置いてはいけない」とか「テレビのリモコンの事を”カチャカチャ”と呼ぶ」といったものがありました。

どれも恐らくその家族にとっては当たり前の事であっても、外から来た私にとっては違和感を覚えるものでした。

みんなが何食わぬ顔で当たり前にしているけど、自分だけが違和感を覚える感覚は誰しもが共感できると思います。

それがただ違和感と片付ける事が出来るレベルなのか、狂気としてハッキリと感じるのか、その境目の描き方が非常に上手かったと観ていて感じました。

 

一方で、黒人どうしで分かち合う「白人だらけでちょっとしんどい」という価値観とか、白人の握手に対する黒人のグータッチとか、日本で生活していると文化的な部分をすべて理解するのは難しいのかなとも思いました。

このブログの読者の大半は、日本で生活する日本人顔の日本人だと思います。

普段少数派や弱い立場になることが無いので、完全に文化的な部分を理解するのは難しいと思います。

あの懇親会でのクリスの気持ちを、強いて例えるのであれば、電車で女性専用車両に乗っている男のような状態なのでしょうか。

(もちろんレベルが違いますが)

自分が異端なものとして見られていると感じる視線はかなり辛いものがありますが、ジョーダン・ピール監督が描きたかったものを、我々日本人は本当の意味では理解できないのかもしれません。

また、黒人差別がまだ続いているという訴えも兼ねて、本来この作品はハッピーエンドではなく、クリスがアーミテージ家殺害の罪で逮捕されるエンディングだったそうです。

そんな悲しい結末ではなく、迎えに来てくれたのがロッジで本当に良かったと心から思います。

(もちろんその後どうなったかは分かりませんが…)

 

 

気になる続編情報は?

映画.com(https://eiga.com/news/20180308/11/)から引用

 長編初メガホンをとった「ゲット・アウト」がアカデミー賞脚本賞に輝いたジョーダン・ピール監督が、同作の続編について検討していることを明らかにした。
米Playlistによれば、ピールは約1年前、「ゲット・アウト」が全米公開された直後に、「続編のやり方はいくつかあると思う。間違いなく前向きに考えているところだ。まだ何も答えられないけれど、“ソーシャルスリラー”ジャンルの映画をもっと作るつもりでいることは確実だ」と語っていた。

ジョーダン・ピール監督にの発言によると、続編制作の検討がされている段階のようです。

ストーリーでは、アーミテージ家は、ほぼ息絶えてしまいました。

続編が考えられるとすれば、

・生死が分からないまま終わったローズが生きていて、クリスに復讐に来る

・ローズが過去に騙して、入れ替わってしまったクリス以外の黒人の話

このどちらかと言った感じでしょうか。

いずれにせよ、正体が分からない違和感から来る不気味さが本作の魅力でしたので、それが暴かれた状態で作る続編というのは、なかなか難しそうですね…。

 

また、ジョーダン・ピールが監督した『US(アス)』も2019年に公開されており、こちらの作品も注目です。

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